2023年03月01日

『明治・大正・昭和の時代劇メディアと時代考証』が刊行されました。

大石学・時代考証学会編
『明治・大正・昭和の時代劇メディアと時代考証』

が勉誠出版より刊行されました。


多くの記録が残され、我々の身近な人々が生きていた明治・大正・昭和。現在に近い時代を考証する困難性はどこにあるのか。そして、史実に沿うノンフィクションにおいても時代考証が求められるのはなぜか。近現代史とノンフィクションにおける考証実務や作品の考察から、虚構と現実の間を埋めるという重要な役割を持つ「時代考証」がもつ可能性の広がりを考える。

本書は、第7回「明治・大正・昭和を考証する―時代考証の現場から」と第8回「時代考証学とノンフィクション」のシンポジウムと、これに関連する論考・コラムを収録したものである。当会はこれまで、江戸時代や戦国時代の歴史についての時代考証を主に取り上げてきた。今回はそれらの成果をふまえ、近現代史やノンフィクション作品についての時代考証にかかわる議論の成果を初めて刊行する。

『明治・大正・昭和の時代劇メディアと時代考証』書影.jpg


目次
巻頭言 近現代時代劇・時代考証の歴史的前提―リアリズムの視点から(大石学)
序論 時代考証にとって現実とはなにか(鈴木一史)

第1部 明治・大正・昭和を考証する
1 近現代を描いた時代劇メディアと歴史学(花岡敬太郎)
2 NHKドラマ『負けて、勝つ〜戦後を創った男・吉田茂〜』―『白洲次郎』などを考証して(小田部雄次)
3 時代考証はアイデアの宝庫―近現代ドラマ制作現場からの報告(安達もじり)
シンポジウム「明治・大正・昭和を考証する―時代考証の現場から」
趣旨説明(鈴木一史)
パネルディスカッション(花岡敬太郎/小田部雄次/安達もじり/司会:門松秀樹)

第2部 ノンフィクションを考証する
1 歴史教養番組の構造と変遷(神谷大介)
2 シナリオ論証を通じて(落合弘樹)
3 歴史番組の”歴史”―制作者の視点から(谷口雅一)
シンポジウム「時代考証学とノンフィクション」
趣旨説明(神谷大介)
パネルディスカッション(神谷大介/落合弘樹/谷口雅一/司会:鈴木一史)

コラム 記憶をめぐる時代考証―時代考証学会第七回シンポジウムのアンケート回答から(神谷大介)
コラム ノンフィクション・歴史教養番組はどのような時代劇メディアか―時代考証学会第八回シンポジウムのアンケート回答から(中野良)

第3部 考証の枠を拡げる
1 時代劇の枠を拡げる―近現代を描いた時代劇メディア(三野行徳)
2 近代を考証する―『足尾から来た女』での経験から(石居人也)
3 戦争を考証する(加藤聖文)
4 戦争を描いた時代劇メディアと歴史学―『スペシャルドラマ 坂の上の雲』の検証(山田朗)
5 『西郷どん』の軍装・洋装考証(刑部芳則)
6 ビデオ機器、時間、世界観―NHK大河ドラマ『花神』(一九七七年)と地域性(羽鳥隆英)

あとがき(時代考証学会編集担当/鈴木一史/神谷大介)

詳しくはこちら:https://jidaikousyou.jp/books/537/


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2023年02月10日

2023年3月5日(日)時代考証学会・第16回サロンのご案内

時代考証学会第16回サロンを以下のとおり、開催いたします。


 「戦争を描いた時代劇メディアと歴史学」
 −『スペシャルドラマ 坂の上の雲』の検証−


報告者

山田 朗

(明治大学文学部教授、時代考証学会評議員)


時代劇メディアを制作する際、戦争をどのように描くかについては舞台となる時代を問わず常に大きな問題となります。国内の戦闘が大半である鎌倉時代や戦国時代に留まらず、外国との戦闘が主となる近現代の戦争ともなると、それを描くために実に様々な要素を検討しなければならず、大変に難しい配慮や段取りが求められる事になります。しかし、この事から目を背けていては、戦争が今よりもずっと身近だった時代の人びとの暮らしや生き方を描くことにリアリティを持たせることが難しくなるのも事実でしょう。では、近現代史をテーマとする時代劇メディアは、「戦争」をどのように描いてきたのでしょうか。

報告いただく山田朗さんは、日本近現代史、特に軍事史や天皇の軍事指導などについて幅広く研究をされてきました。また、戦後の歴史認識や戦争観に関する言及も多く、『これだけは知っておきたい日露戦争の真実 日本陸海軍の〈成功〉と〈失敗〉』(高文研、2010年)などでは、司馬遼太郎作の「坂の上の雲」における軍事描写について、小説版・ドラマ版の相違なども含めて検証されています。今回のサロンでは、2000年代以降、飛躍的に向上した映像技術を背景に、戦争の描写が“リアルに再現”されたことも話題となったNHKによるドラマ版「坂の上の雲」(全三部作、2009〜2011年)の諸描写を手掛かりに、ドラマとして何を描き、何を描かなかった(描けなかった)のかを山田さんに改めて検証してもらうことで、当時の描き方の特筆すべき点や問題点を明らかにしつつ、戦争とその時代を描くことや視聴することの重要さについて皆様と議論できればと思います。

※多くの方にご参加いただきました。
ありがとうございました。

第16回サロン.JPG


日 時:2023年3月5日(日)14:00〜(13:30入室受付開始)
会 場:明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント3階 4031教室

http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html
アクセス:
 ■JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩約3分
 ■東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅 下車徒歩約5分
 ■都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線/神保町駅 下車徒歩約5分
資料代 200円


時程(仮)
13:30 受付開始
14:00 サロン開会
15:05 休憩
15:15 質疑
16:00 閉会(予定)
※当日の進行事情により時程は前後する場合がございますのでご了承下さい。

≪申し込み方法≫
申込期間 3月1日(水)まで
定員 50名(先着順)

どなたでもご参加いただけます。
※事前に申し込みが必要です。こちらのフォームよりお申し込みください。


お申し込みが完了すると、申し込みを受付けた旨、jidaikousyou[at]live.jpよりメールが送られます。なお、本メールは「迷惑メール」フォルダーに振り分けられることがございます。メールが届かない場合は、まず「迷惑メール」フォルダーをご確認ください。それでも届いていない場合は、お手数ですが、まず上記のアドレスまで(〔at〕を@にかえてください)ご連絡ください。

みなさまの御周辺に時代考証に関心がある方がおられましたら、お誘いあわせのうえ、ご参加いただきたく、お願い申し上げます。
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2022年10月31日

2022年11月26日(土) 第13回時代考証学会シンポジウムのご案内

第13回時代考証学会シンポジウムを、開催することとなりました。
下記の通りお知らせいたします。


時代劇メディアのなかの近代偉人 
―歌舞伎からテレビドラマまで― 

 
【日時】2022年11月26日(土)13時〜(12時30分受付開始)
【会場】明治大学駿河台キャンパス リバティタワー6階 1063教室

  東京都千代田区神田駿河台1−1
 [アクセス]                              
 ・JR中央線・総武線・東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水駅下車徒歩約3分
 ・東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅下車徒歩約5分
 ・都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線神保町駅下車徒歩約5分
  http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html
【参加費】500円
 
【報告タイトル/報告者(敬称略)】 

テレビドラマのなかの近代偉人
−大河ドラマにおける勝海舟の描写に着目して−

門松秀樹

時代考証学会(近代日本政治史)



演劇のなかの山岡鉄舟

神山彰

明治大学名誉教授、元国立劇場制作室(近代日本演劇)

 

 歴史上の人物を定点観測するドラマ、その作劇手法
−明治・昭和期を中心に−

池端俊策

脚本家 『夏目漱石の妻』など

 
第13回時代考証学会シンポジウム.jpg


【主催】時代考証学会(会長・大石学) 
時代考証学会事務局(jidaikousyou〔at〕live.jp) 
※シンポジウムに関するお問い合わせは上記アドレスまで。〔at〕を@に変えて下さい。 
〒998-8580 山形県酒田市飯森山 3-5-1 
東北公益文科大学 研究室 H-4 門松秀樹研究室 
 
【お申し込み方法】 
期間 11月25日(金)20:00まで
定員 120名(先着順) 

どなたでもご参加いただけます。 
 
※事前にお申し込みが必要です。感染対策のため、事前の申し込みなしのご参加はお断りさせていただきます。

下記のフォームよりお申し込みください。 
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/0c39e504164319
 またはメール(jidaikousyou[at]live.jp ※[at]を@にかえてください)に【お名前/メールアドレス/今後時代考証学会からのお知らせを希望するか】をご記入のうえ申込期間内にお申し込みください。
 後日当学会より整理番号をメールにてご返信させていただきます。

なお、時代考証学会からのメールが、「迷惑メール」フォルダに振り分けられてしまうことがございます。メールが届かない場合は、まず「迷惑メール」フォルダをご確認ください。それでも届いていない場合は、お手数ですが、jidaikousyou〔at〕live.jp(〔at〕を@に変えてください)までご連絡ください。 
 
※感染対策のため、座席は整理番号をもとに前の方から指定させていただきます。
 
皆さまのご周辺に、時代劇メディアや時代考証に関心のある方がおられましたら、お誘い合わせの上、ご参加いただければ幸いでございます。部分参加も歓迎いたします。 


公式サイト:https://jidaikousyou.jp/
Facebookページ:https://www.facebook.com/jidaikousyou
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2022年10月28日

時代考証学会公式サイト開設のお知らせ

このたび、時代考証学会では公式サイトを開設しました。ぜひブックマークをお願いします。

公式サイト:https://jidaikousyou.jp/

当面はブログと併用して、さまざまな情報を発信していきます。

Facebookも開設しております。ぜひ登録をお願いいたします。

Facebookページ:https://www.facebook.com/jidaikousyou
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2022年10月19日

京都ヒストリカ国際映画祭 時代考証学会共催企画のお知らせ

京都ヒストリカ国際映画祭(10月29日〜11月6日にかけて開催)において、10月30日に、当会会長・大石学、及び運営委員が各作品上映後にゲストとしてお話します。

『阿修羅城の瞳』
 10時30分から
 ゲスト 大石学・羽鳥隆英

『夜叉ケ池』
 14時から
 ゲスト 茂木謙之介

『魔界転生』
 18時から
 ゲスト 花岡敬太郎

場所 京都文化博物館 フィルムシアター
   京都府京都市中京区東片町623−1

参加方法やチケット代金など、詳しくは以下の京都ヒストリカ国際映画祭のHPにてご確認ください。
https://historica-kyoto.com/

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